①音楽教育は、学業成績に良い影響を及ぼす【その1】

もしもあなたが「音楽と勉強、どちらが大事だと思われますか?」と尋ねられたら。

もしかしたら、音楽!と答えてくださるかもしれませんが、やはり実際は、勉強>音楽 という方が多いのではないでしょうか。

「音楽教育は、学業成績に良い影響を及ぼす」アメリカでの研究です。

《カレッジ·ボード(大学入学用全国模試を行う機関)の統計を見ると、2015年に全国模試を受けた高校生のうち、4年間音楽のクラスを取った生徒は1年半以下しか取らなかった生徒より平均92点、総合点が高かった。(National Arts Administration and Policy Publications Database, “Arts Facts: SAT Scores and the Arts” 1999 – 2015)》

4年間音楽のクラスを取った生徒は1年半以下しか取らなかった生徒より、平均で92点も総合点が高かったそうです。(この試験の総合点は2400点だそうです)
高校生の皆さんには是非音楽クラスを選択して欲しいです。
また、高校の音楽の授業は3年間フルなところは少ないと思いますので、学校側にもぜひ積極的に取り上げていただきたいところです。

そうして欲しい背景には、ピアノは小学生までは習う人が多いですが、中学生、高校生の伸び盛りの時こそ、ピアノを習い続けたら、学業成績にもいい影響が出る可能性が大いにあるからです。

お子さんがピアノ・音楽が好きで、それが気分転換になって、さらに成績にも影響があるとなれば、ピアノをずっと続けられたほうがいいですよね。


②音楽教育は、学業成績に良い影響を及ぼす【その2】

 アメリカでの研究の続きです。

《音楽の授業がある学校は、ない学校より10%近く出席率が良い。(The National Association for Music Education. “Music Makes the Grade.” The National Association for Music Education. Accessed February 24, 2015)》

確かに、音楽がある日は学校に行くのが楽しみでした。
 音楽好きな子だったら絶対その日はわくわく、ウキウキ♪
 学校に行くのが楽しい日があれば、自然と学校への足が向くのも一理あるでしょう。

逆に音楽嫌いな子だって一定数いるはずなのですが、それでも出席率が上がってしまったということです。
 本人が気づいていない効果、影響が音楽にはあるのだと思います。


③音楽教育は、学業成績に良い影響を及ぼす【その3】

《音楽教育を受けた子供は、どのレベルであれ、全く受けていない子供より英語、数学の成績が良い。 (Journal for Research in Music Education, June 2007; Dr. Christopher Johnson, Jenny Memmott)》

まず、音楽教育を受けると、絶対に耳が良くなります。
 聴音って音を聞き取るトレーニングもありますが、小さいうちから音楽を習っているお子さんは自然と耳が良くなってしまいます。

母国語(英語)、日本で言うと国語ですね。
 国語の学習は、読み書きと言われ、読みが必須です。
 この読みと耳は密接な関係があります。
 国語学習には音読が良いってよく言われますが、音楽をやっている生徒は、比較的音読を嫌がらないのです。

また算数。
 音楽って実はとっても算数的なんです。
 音符の長さなんかはバッチリ数字に置き換えられるし、音楽をやっているお子さんで算数好きな人は、結構多いです。
 音楽で算数脳を鍛えちゃいましょう。

音楽教育は間違いなく耳が良くなります。
 英語習得にだって絶対良いはず!
 英国数に良いとなれば!
 受験を控えている時こそ、ピアノを弾くのはいいことかもしれません。


④リベラルアーツとは

 リベラルアーツについて、日本でちゃんと紹介されたのは、こちらの本です。

《ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育》
 Amazon.co.jpによる詳細はこちら↓
 https://www.amazon.co.jp/dp/4865591257/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_N6tgFbQC2D0Z2

リベラルアーツとは、一般教養といっても全人格的教育と言ってよく、ギリシャ・ローマ時代に生まれた理念で
 「人が持つ必要がある実践的な知識・学問」
 とされており、音楽の他に、文法・修辞学・論理学・算術・幾何・天文合わせて7科のことを言います。

バランスの取れた人格形成を目指す!
 全人格的教育!!
 なので、総合大学には音楽学部があるそうです。
 日本とは違い、音楽は音大ではなく総合大学にあるんですね。
 そこには、先人の努力があったようです。

「ハーバード大学は音楽で人を育てる」によると、アメリカにおいて音楽を専門的に学ぶということは、ここ100年来の傾向に過ぎなかったそうで、今は、多くの教科と並行して音楽が存在する形が主流になっているそうです。

現在ハーバード大学では、学部生6600名の約半数3000人以上が何らかの芸術活動に携わっていて、中でも音楽活動は活発でキャンパス内では年間約450の学生コンサートが行われている とのことです。

では、なぜ音楽学部が総合大学にあるのか?


⑤ハーバード大学は「音楽」で人を育てる

 『ハーバード大学は音楽で人を育てる』によると、ハーバード大学の一般教養科目は次のようなカテゴリーに大別されています。

美学的・解釈的理解
 文化と信念
 経験的・数学的思考
 論理的思考
 生態体系の科学
 物理的宇宙の科学
 世界の諸社会
 世界の中心のアメリカ合衆国

この中の「美学的・解釈的理解」カテゴリーの中に芸術関連科目が含まれています。
 このカテゴリーの目的は、『文学・絵画・彫刻・建築・音楽・映画・舞踏・宗教・装飾などの文化的表現を、理論的かつ批判的に解釈し、芸術の世界と知的に関わり合うこと』。

だからこそ、Faculty of Arts and Sciences (芸術科学学部)には7つの学問(文法・修辞学・論理学・算術・幾何・天文・音楽)がすべて入っているそうです。

芸術科学学部の学生達はそれらのクラスをまんべんなく履修しなければならなくて、それだけ音楽の授業に価値が置かれているということなのです。


⑥音楽は数学系?アメリカの大学の音楽教育

 なぜ音楽学部が総合大学にあるのでしょう?

アメリカで言えば、コロンビア大学、ニューヨーク大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、イェール大学などです。 

金澤正剛著『中世音楽の精神史』によると

リベラルアーツとは、自由七科とも呼ばれ、言語に関わる三科目(文法・修辞学・弁証法)と数学に関わる四科目(算術・幾何・天文・音楽)があり、音楽は後者に属しており・・・

音楽は幾何や天文学と同じく数の論理で説明されるもので、古代ギリシャ思想を源流とした、キリスト教的世界の調和を象徴していた・・・

中世の大学においてはこの自由七科の要素を引き継いだ教養学が教えられており、音楽の授業では専らこの理論書が使われていた・・・

なるほど。
 音楽は数学系なんですね。
 音楽と数学って本当に近いと思います。


バイオラ大学のピアノ講師でいらっしゃいます河村まなみ先生のセミナーを受けました。

《バイオラ大学の場合》
 芸術科目(音楽、美術のいずれか)は全学生必須。
 音楽一般教養のクラスがある。(音楽史入門、ピアノ・クラス、など)
 経験があれば、専門クラスやレッスンも受けられる。
 音楽学部生でなくてもオーディションに通れば、合唱団、オーケストラ、吹奏楽団に参加できる。(奨学金がもらえる場合もある)
 音楽学部主催の演奏会も見ることができる。
 メジャー(専攻)マイナー(副専攻 )という学位を取ることもできる。

一般の学生さんもこんなに音楽を学ぶチャンスがある!
 それだけに音楽の必要性を感じざるを得ないのでしょう。



(セミナーを受講後、許可を得て掲載しています)